定期報告はしないとどうなる?義務はある?
建築基準法第12条第3項で定められている定期報告の必要性と、定期報告を怠ったことで招いた事例についてまとめています。
定期報告をしないとどうなるか
特定建築物の定期報告は、建築基準法第12条第3項に定められた制度です。報告をしなかったり、虚偽の報告をした場合は、建築基準法第101条に記載されている「100万円以下の罰金」に処される可能性があります。
定期報告の必要性について
利用者の安全を守るために定期報告は欠かせない
建築基準法第8条では、建築物の所有(管理者)は、その建築物に対し、適切な維持管理義務があると記されています。それに伴い、建築基準法第12条第3項では、特定建築物、建築設備、防火設備、昇降機に対して、一級建築士・二級建築士、あるいは各項目の検査を実施できる有資格者に調査を依頼し、特定行政庁に定期的に報告することを義務付けています。
この定期調査報告を怠ると、経年劣化や破損箇所に気づかずに事故を起こしたり、災害時における避難経路が確保されずに多くの被害者を出してしまう可能性があります。定期報告は、使用・経年による建物の劣化や機能低下の早期発見、防災上の障害等の問題点や危険性を把握し改善するために欠かせない制度なのです。
責任は所有者に!定期報告・調査を怠った結果、招いた事故事例
階段の腐食に気づかず転落負傷
アパートの4階を訪れた人が外階段を上っていたところ、階段の中央部分が落下し、転落負傷。落下した階段は腐食していた。被害者は建物所有者および管理人に損害賠償を請求。建物所有者は、管理人に建物の賃貸・管理業務を委託していたが、注意義務を尽くしたと証明することができず、損害賠償責任を負うことになった。
罰則の事例
Case1 ホテルプリンス火災事故(2012年5月)
広島県福山市のホテルにて火災が発生。排煙設備の未設置により煙が充満して逃げ遅れたことなどが原因となり、宿泊客7名が死亡し、従業員1名を含む4名が重傷を負う。定期報告は38年間行われていなかった。ホテル経営会社の元社長は業務上過失致死傷害罪に問われ、執行猶予5年、禁固3年の有罪判決となった。
参照元:総務省消防庁(https://www.fdma.go.jp/publication/hakusho/h24/cat-/cat1/931.html)
Case2 歌舞伎町ビル火災事故(2001年9月)
東京都新宿区の雑居ビルで火災が発生し、3階と4階にいた44名が死亡。誤作動が多いことを理由に自動火災報知機の電源が切られており、4階は火災報知機を含めた天井部分が内装材で覆い隠されていた状態だった。定期報告等を怠ったため状況が改善されなかった例。遺族との和解金は総額10億円を超え、ビル所有会社役員、テナントオーナーなど計5名が執行猶予付きの有罪判決を受けた。
参照元:東京消防庁(https://www.tfd.metro.tokyo.lg.jp/hp-sinjyuku/kabuki/kabuki.html)
まとめ
定期報告を怠っていたために、建物で火災などが起きて人が亡くなったり怪我をしてしまったらその責任は、その建物の所有者や管理者になります。定期報告を行うことは自身のリスク回避にもなりますが、何よりも、建物を利用する人々の安全を守るために重要です。このような事故を起こさないためにも、しっかりと定期報告の検査を実施しましょう。
当メディア制作でご協力頂いたテックビルケアでも特定建築物の定期報告の調査が可能です。
4つの種類を解説


