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特定建築物の定期報告
のことがよくわかるサイト
「特定建築物 定期報告」
制度とは?
建築物の安全性の確保のために、定期的な調査・検査を行い、地方自治体(市や都道府県)に報告する制度。
建築基準法第12条に基づき、国及び特定行政庁が定めた建築物(特定建築物)の所有者・管理者は、敷地・構造等の状況を特定建築物調査員等に調査させ、特定行政庁に報告する義務があります。
定期報告の対象となるのは、不特定多数の人が利用する建築物。検査を行う対象は「建築物」「建築設備」「防火設備」「昇降機等」の4つのうち、該当するものになります。
こんな定期報告の通知書が届いたら…
定期報告を行う対象が「建築物」「建築設備」「防火設備」「昇降機等」どれなのかを確認しましょう
定期報告を行う対象を確認し、報告期限に間に合うように、調査・点検の予定を立てる必要があります。
通知書に記載されているのは、所有者または管理者の住所・名前、建物ごとに割り当てられた記号番号、建物名称、用途、建物所在地、報告内容、今年度の報告期限。ただ、通知書や督促状の様式は特定行政庁により異なります。事前の定期報告の通知書や未提出の場合の督促状が送付されてこない場合もあります。
通知が届いたらどうすればよいかがわかる
特定建築物 定期報告の流れ
東京都の場合を例に紹介しています
定期報告の検査は、一級建築士、二級建築士のほか、各資格を保有する検査員が行うことができます。
多くの特定行政庁では建物用途・階数・用途別面積により定期報告の対象物や報告年度を定めている為、対象建物により報告年度が異なる場合もあります。なお、建築設備と防火設備の定期報告については、対象となる場合ほとんどの特定行政庁で毎年報告することになっているので、毎年通知書が送付される場合もあります。

株式会社テックビルケア茶橋社長
定期報告のケースを元に解説します。

インターネットカフェを
運営されている法人様のケース
愛知県豊田市内のインターネットカフェを運営されている法人様より定期報告の督促状が豊田市から届き対応に困っているということでお問い合わせをいただきました。
階数や延べ面積といった建物の情報、防火設備の内訳数量などの情報を頂き、3つの定期報告をまとめて施工させていただける条件で、金額も大幅にお値引きし、見積り金額をご提示。定期報告3種類とも一手に引き受けて検査してくれるところがなかったということで喜んでいただけました。

奈良県内で老人福祉施設を
運営されている方のケース
定期報告の督促状が届き対応に困っているということでお問い合わせをいただきました。今まで督促状なども届いたことがなく、運営施設が定期報告の対象であることも督促状が届いてから初めて知られたということでした。
階数や延べ面積といった建物の情報をいただき、速やかに見積提案。お問い合わせから見積提案まで迅速に対応したことで信頼をいただき、すぐにご依頼をいただきました。今後は毎年時期が近づいたら当社より検査のご案内をさせていただくことになり、これで来年度から督促状が届くことがないということで安心していただきました。
特定建築物の定期報告の
4つの種類を解説

建築基準法第12条に記載された特定建築物の定期報告の種類は4つ。必要な調査・検査は「特定建築物定期調査」「防火設備定期検査」「建築設備定期検査」「昇降機等定期検査」です。各調査・検査の内容と注意すべきポイントについて紹介します。
1.特定建築物 定期調査

多くの人が利用する特定建築物に指定された建物全体に劣化損傷や防災上の問題がないかを確認する調査。
特定建築物には、学校、体育館、病院、劇場、百貨店、旅館、共同住宅などがあります。なお特定建築物には、国が政令で指定した建築物と、特定行政庁がそれぞれ指定した建築物があり、国に指定された建築物でなくても、特定行政庁に指定された建築物であれば、報告義務が生じます。
特定建築物の定期調査の対象範囲
- 敷地及び地盤 地盤、敷地、敷地内通路、塀、擁壁
- 建築物の外部 基礎、土台、外壁
- 屋上及び屋根 屋上面、屋上周り、屋根、機器及び工作物
- 建築物の内部防火区画、壁、床、天井、防火設備、照明器具、懸垂物等、採光、換気、アスベスト
- 避難施設等 通路、廊下、出入口、屋上広場、バルコニー、階段、排煙設備、その他
- その他 避雷設備、煙突、その他
多くの特定行政庁では、3年に1回の報告を制定。ただ、建築物の用途や特定行政庁によって異なるので確認が必要です。
特定建築物定期調査は、1~3年に一度の報告が義務付けられていますが、全体的な調査になるため、報告は3年に1回としているところが多いようです。
ただ、特定建築物定期調査報告では「初回免除」という制度があります。新築・改築後は、検査済証の交付を受けた日の属する年度の翌年度以降の2回目の報告時期から報告が必要となります。
なお、テックビルケアでは、北海道から九州・沖縄まで全国エリアに対応。2営業日以内にお見積を送付、迅速な対応が可能なので、お困りの方はぜひご相談ください。

株式会社テックビルケア茶橋社長

Zenken編集チーム
※初回調査の免除と報告年について…
東京都の場合、新築・改築後は、直近の特定建築物調査年度の調査が免除となります。たとえば、2015年、2018年、2021年と3年ごとに報告が必要な建築物の場合、2014年度中に工事完了の検査済証が交付された建築物については、2015年の報告は「直近の時期」として免除になり、2018年から報告が必要になります。
2.防火設備 定期検査報告

防火扉や防火シャッターなどの防火設備を重点的に確認する検査です。
もともと、この検査の定期報告はありませんでしたが、多くの犠牲者を出した火災事故をきっかけに、2016年の建築基準法の改正に伴い新設されました。火災時にこうした防火設備がきちんと作動し、火災による被害を最小限に抑えるために欠かせない検査です。
防火扉、防火シャッター、防火クロススクリーン、ドレンチャーとその他の水幕を形成する防火設備など、随時閉鎖または作動できる防火設備(防火ダンパーを除く)について、それぞれの防火設備の性能や機能が維持保全されているかを確認します。
防火設備 定期検査報告の対象範囲
- 防火扉
- 防火シャッター
- 防火クロススクリーン
- ドレンチャーその他の水幕を形成する防火設備
※定期検査の対象は、火災時に煙や熱で感知して閉まる防火設備です。
報告時期は年1回。新築の建築物は初回免除があります。
防火設備定期検査は、基本的には1年に1回の提出が求められる検査です。報告時期に関しては、特定行政庁によって異なるので、各自治体の公式HPで確認が必要です。
新築または改築された建築物については、検査済証交付年度の翌年度は報告が免除になります。初回の報告は、検査済証交付年度の翌々年度の報告時期に行います。
なお、テックビルケアでは、北海道から九州・沖縄まで全国エリアに対応。2営業日以内にお見積を送付、迅速な対応が可能なので、お困りの方はぜひご相談ください。

株式会社テックビルケア茶橋社長

Zenken編集チーム
「防火設備定期検査」と「消防用設備等点検の違い」
防火設備定期検査に似ている点検に、「消防用設備等点検」があります。
- 防火設備定期検査…建築基準法に基づく検査
防火扉や防火シャッターなどの設備を点検し、報告は「特定行政庁」に行います。
- 消防用設備等点検…消防法に基づく点検
消火器、スプリンクラー、自動火災報知設備、非常ベルなどを点検し、管轄する「消防署または出張所」に報告を行います。
両者は点検内容も報告先も異なるため、消防用設備点検を受けているからといって、防火設備定期点検を受けなくてもよいということにはなりません。必ず報告書を提出するようにしましょう。
3.建築設備 定期検査報告

建築物に設けられている建築設備の性能や機能が維持保全されているかを確認する検査です。
建築設備定期検査は、設備異常が原因で発生する災害などから、利用者の安全を守るために必要な点検です。なお建築設備定期検査報告では、換気扇、レンジフードなど、ガス機器燃焼の酸素を供給するための換気設備(自然換気設備を除く)、火災発生時の有毒な煙や熱を排出し、避難経路を確保するための排煙設備、停電時に作動し、スムーズな避難を促す非常用照明設備、水槽やポンプなど、衛生的な水を供給するための給水または排水の配管設備(給水タンク等を設けるもの)について、それぞれの設備の性能や機能が維持保全されているかを検査します。
建築設備 定期検査報告の対象範囲
- 換気設備
- 排煙設備(排煙機または送風機を有するもの)
- 非常用の照明装置
- 給水設備
建築設備定期検査は、1年に1回行います。大きな事故を防ぎ維持管理費用の削減につながります。
定期的に検査を行うことで、設備の異常を早めに見つけることができるので、大きな事故の予防になりますし、早めに修繕することで建物の維持管理費用を削減することにもつながります。
建築設備定期検査は、新築・改築後、検査済証の交付を受けてから2年を超えない時期に、初回の定期検査報告を提出しなければなりません。
なお、テックビルケアでは、北海道から九州・沖縄まで全国エリアに対応。2営業日以内にお見積を送付、迅速な対応が可能なので、お困りの方はぜひご相談ください。

株式会社テックビルケア茶橋社長

Zenken編集チーム
建築設備の定期検査について
建築設備定期検査は、特定行政庁によっては給排水設備が免除になっていたり、建築設備定期検査自体を行う必要がないというところもあります。特定行政庁によって検査項目が異なる場合がありますので、事前に確認しておきましょう。
4.昇降機等 定期検査報告

エレベーター、エスカレーター、小荷物専用昇降機などが安全に動くか確認する検査
すべての建築物(国等が所有または管理する建築物を除く)のエレベーター(労働安全衛生法の性能検査を受けているものやホームエレベーターを除く)、エスカレーター、小荷物専用昇降機、遊戯施設等についての検査で、昇降機は1年に1回、遊戯施設は1年に2回検査を行い、特定行政庁に報告しなければなりません。
昇降機等 定期検査報告の対象範囲
- エレベーター(ホームエレベーター、積載量1トン以上のエレベーターを除く)
- エスカレーター
- 小荷物専用昇降機
- 遊戯施設等(観覧車、ジェットコースター、ウォータースライド、メリーゴーラウンドなど。乗用エレベーター、エスカレーターで観光用のものを含む)

Zenken編集チーム
エレベーターの定期検査報告について
エレベーターの定期検査報告では、検査の項目ごとに以下の判断がなされます。
- 要是正…修理や部品の交換などによって、速やかに是正する必要がある状態
- 重要点検…次回の検査までに「要是正」になるおそれが高い状態
- 指摘なし…重要点点検や要是正に該当しない、良好な状態
要是正と判断されたものの是正をせずにいると、特定行政庁によって是正状況の報告聴取や是正命令が行われたり、罰金を支払わなければならない可能性があります。
12条点検・特定建築物の
定期報告 Q & A
12条点検とは、建築基準法第12条に基づいて行われる4つの定期調査及び検査のことです。学校や病院、集合住宅など、多くの人が利用する建築物では、この12条点検が必要になるケースがあります。12条点検について、よくある疑問・質問を紹介します。

定期報告はしないとどうなる?義務はある?
「100万円以下の罰金」に処される可能性があります
特定建築物の定期報告は、建築基準法第12条第3項に定められた制度であり、定期報告を怠ったり、虚偽の報告をした場合は、建築基準法第101条に基づき「100万円以下の罰金」に処される可能性があります。
また、定期報告を怠った結果、利用者の負傷事故を引き起こしたり、火災時に避難経路が確保されずに多くの死傷者を出してしまったという事例もあります。こうした事故を起こした場合、責任は所有者が負うことになります。
定期報告に関する検査はどこに依頼すればいい?誰でもできる?
定期報告は、誰でもできるというわけではありません。
一級建築士、二級建築士のほか、特定建築物、防火設備、建築設備、昇降機の検査は、各資格を保有する検査員が行うことができます。
建築に関する知見があり、建築法規にも詳しい建築士に依頼すると、行政との調整もスムーズですが、定期報告調査・検査に不慣れな建築士も少なくないので、定期報告の実績豊富なビル管理会社や設備会社に依頼するケースも多いようです。
特定建築物の定期報告の費用はどれくらい?
特定建築物の定期報告の費用は、調査・点検を行う会社によって異なります
延床面積と築年数を基準に算出されることが多いため、建築物の大きさや劣化状況によっても変わってきます。費用には、検査費、報告書作成費、報告書行政提出代行費、交通費、諸経費などが含まれます。
一般的に、検査を行うのが建築士の場合は費用が割高に、特定建築物調査員の場合は費用が抑えられる傾向にあるようです。
案内が送られてこない場合、報告の義務はないと考えてよいか?
いいえ。建築物等の所有者・管理者に報告義務が課せられています。
特定行政庁からの案内の有無に関わらず、建築基準法第12条で、対象となる建築物等の所有者、管理者に報告の義務が課せられています。
自治体で異なる
特定建築物の定期報告について
エリアごとの特定建築物の定期報告についての情報をまとめています。 また、そのエリアの定期報告の提出機関、特定行政庁についてもまとめているので、参考にしてください。

準備中
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取材協力株式会社テックビルケア

創業40年、6000件以上の実績を誇る「特定建築物の定期報告」のプロ
テックビルケアは、消防設備士、防災管理点検資格者、防火設備検査員、特定建築物調査員、建築設備検査員が在籍する、建築防災の専門家チーム。北海道から九州・沖縄まで全国エリア対応可能です。

丁寧な対応と適正価格に自信があります。品質の裏付けとして、 契約継続率は90%以上※を誇っています。
定期報告に関する検査をするのは、テックビルケアの社員のため、丁寧な対応と適正価格に自信があります。創業して40年、官公庁をはじめ、店舗や共同住宅などの小規模建物から、商業施設・老人福祉施設・病院などの大規模建築物まで対応した実績があります。その数は6,000件以上※にのぼります。(※2022年12月12日調査時点)
お客様との信頼関係を築きながら建築防災のインフラを影で支えていきたい
高度情報化社会の進化、防災レベルの発展・向上のためだけでなく、お客様に合わせた提案業務や、設置されているインフラ設備に応じた保守管理の技術提供、信頼し依頼してくれたお客様との信頼関係の構築を重視し、常に上を目指しながら、建築防災設備および建物の「未来」を影で支えていきたいと思っています。

Zenken株式会社
特定建築物の定期報告に関する通知書が届いたら
まず初めに読むサイト「トッケン指南書」
デパートやホテル、病院など不特定多数の人が利用する特定建築物において、構造の老朽化や避難設備の不備、建築設備の作動不良が大きな事故につながります。そのため、建築基準法では専門の技術者により建築物等を定期的に調査・検査を行い、特定行政庁に報告する制度を設けています。しかし「特定建築物 定期報告」に関して、わからない方もいるのではないでしょうか。
そこで、Zenkenでは「特定建築物 定期報告」に関することでお困りの方のために、情報をわかりやすく伝えることを目的に、テックビルケアに全面協力を仰ぎ、当メディア「トッケン指南書」を制作しました。当メディアが参考になれば幸いです。