防火設備の定期検査報告とは?
特定建築物の防火設備定期検査報告についてまとめています。防火設備定期検査とは何か、具体的にどのような検査を行うのか、消防法による検査とは違うのか、などの基本情報について解説していきます。
防火設備定期検査とは?
防火扉や防火シャッターなどの防火設備を重点的に確認する検査
防火扉や防火シャッターなどの「防火設備」に重点を置いた検査で、2016年6月の建築基準法の改正項目の一つとして、定期報告制度強化のため新たに新設された検査です。
国及び、特定行政庁が指定する防火設備の所有者は、建築基準法第12条第3項の規定により、定期的に検査の資格を持つ者にその対象防火設備の閉鎖又は作動について検査をさせ、結果を特定行政庁に報告しなければならない、と定められています。なお、所有者と管理者が違う場合は管理者になります。
- 防火扉
- 防火シャッター
- 防火クロススクリーン
- ドレンチャーその他の水幕を形成する防火設備
※定期検査の対象は、火災時に煙や熱で感知して閉まる防火設備です。
防火設備定期検査の検査方法
防火設備定期検査では、以下の4つの項目の点検を行います。
1. 防火扉
火災時に閉鎖して、火炎を遮り、火災の延焼や拡大を防ぐために設置される防火扉の検査では、火災が発生した際、正常に作動するかを点検していきます。
- 非常時における扉の閉鎖に支障をきたすような物が、防火扉の周辺に放置されていないか。
- 扉、枠、金具などの部位を検査し、扉が堅固に取り付けられているか、破損や劣化している箇所はないか。
- 作動時に人が挟まれたり、周囲の人に対して重大な被害が及ばないようにするための危険防止機能が正しく作動するか。
2 .防火シャッター
防火扉同様、火災の延焼や拡大を防ぐために設置されている防火シャッター。非常時に正常に作動し、感知器との連動に不備がないかを検査します。
- 周辺に、シャッターの閉鎖を邪魔するような障害物がないか。
- 駆動装置の故障や、変形・破損・劣化はないか。ローラーチェーンやワイヤーロープに異常はないか。
- 煙・熱感知器などの機器との連動機能は正常か。
- 障害物を感知して止まる危険防止装置がきちんと作動するか。
3 .耐火クロススクリーン
ガラスクロス製の耐火クロスを使用した、防火防煙性能を持つ耐火クロススクリーンの設置の周辺状況や非常時の開閉について点検します。
- 煙・熱感知器との連動機能が正しく作動するか。
- ローラーチェーンなどに腐食やたるみ、異常音などがないか。
- 耐火クロススクリーンの劣化や損傷はないか。
- 非常時に閉鎖する際、周囲の人に対して重大な危害が及ばないようにするための危険防止機能が正しく作動するか。
4 .ドレンチャーその他の水幕を形成する防火設備
ドレンチャーとは、建物と隣接する外部で火災が起こった場合に、軒先や開口部などに設置された専用ノズルから水を放出して、建物全体を水の幕で包んで延焼を防ぐ防火装置のこと。火災時に、水を放出するポンプやタンクが正常に機能するかを点検します。
- 水の放出を妨げないよう、ドレンチャー付近に物が放置されていないかどうか。
- ドレンチャーヘッドは正しい位置に設置されているか。ドレンチャーヘッド(散水ヘッド)に詰まりがないか。
- ドレンチャーを使用するための水が確保されているか。貯水槽や給水設備が劣化・損傷・変形していないか。
防火設備の定期検査に関するQ&A
Q:消防法の点検を行っているので、検査・報告を実施しなくてよい?
消防法による点検は「消防用設備等点検」であり、建築基準法第12条第3項に基づく検査である「防火設備定期検査報告」とは異なるものです。
消防用設備等点検では災害時における通報などを重視し、消火器や屋内消火栓、非常ベル、スプリンクラー設備などの点検を行うのに対し、防火設備定期検査報告では避難を重視し、防火扉や防火シャッターなどの設備の点検を行います。
また、報告先も異なり、消防用設備等点検は、管轄する消防署または出張所に、防災設備定期検査報告は特定行政庁に報告します。
このように、消防用設備等点検と防火設備定期検査報告とでは、検査の内容も報告先も異なるため、消防法の点検を行っているからといって、防火設備定期検査報告をしなくていいということにはなりません。
Q:報告対象の防火設備があるかわからない場合はどうすればいい?
報告対象の防火設備があるかどうかは、図面等の資料がなければ判断できません。報告対象の防火設備の有無についは、特定建築物の調査を行っている会社等に相談するのが安心です。
Q:報告が必要な防火設備とは、どういうもの?
建築基準法に基づいて設置されたものが対象となり、平常時は開放されていて、火災時に煙・熱感知器が作動すると閉鎖する防火扉や防火シャッターなどが該当します。これらの設備がない場合は、防火設備検査報告書の提出は不要です。
Q:防火設備定期検査の報告時期はいつ?
その建物が新築され、検査済証の交付を受けている場合、その翌日から起算して2年経過する日までに定期報告を行わなければなりません。
前年に検査を行っている場合は、定期報告を実施した日の翌日から起算して1年を経過する日までに一度、定期報告を行う必要があります。
Q:報告を行わない場合はどうなる?
防火設備定期検査には罰則規定があります。提出期限までに報告を行わないと、まずは督促状が届きます。その後も防火設備定期検査を行わなかったり、検査を行ったように虚偽の報告をした場合、100万円以下の罰金の処分を受ける可能性があります。
なぜ防火設備定期検査報告が必要になったのか
2013年、福岡県福岡市の診療所で火災が発生し、15名の死傷者を出しました。被害が拡大した原因として、防火設備(防火扉)が正常にしなかったため、延焼してしまったと指摘されています。
参照元:総務省消防庁(https://www.fdma.go.jp/publication/hakusho/h26/31/1615.html)
こうした事故を二度と発生させいないため、防火設備の維持管理の強化を目指し、防火設備の専門的な検査基準と、検査資格者による検査報告制度が導入されるようになりました。
防火設備定期検査報告は、一級建築士または二級建築士、もしくは、防火設備検査員によって検査が行われ、その結果はそれぞれの地域の特定行政庁に報告されます。

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